備忘録としての生活記録

知識は無いけれど芸術が好きなコミュ障インキャ芋ブスヲタクの戯言

書き散らし

2020年2月2日(日)
Origamillio(n)佐藤兎水生誕『202020』
新宿club SCIENCE
開場15:10/開演15:30
前売2500円/当日3000円(1D代別)


Origamillio(n)
ぴゅーぴるモ!
nuance
なにぬねるん?
HAMIDASYSTEM
どうして友達がいないのか。
となりのぎょーざ


①夢うつつにキスをして
②黎明の貴方
③S
④down 
⑤傷の音
⑥存在しないぞんざいな愛


それが、彼女との出会いでした。


その日新宿に行った経緯は非常に複雑で、解散した推しグループの元メンバーが新グループを立ち上げて、比較的気になったメンバーがいたものの脱退し通わなくなっていたところ、そのメンバーがゲスト出演するということで、知っているグループも出るしとふらっと立ち寄った、というものでした。
私はもともと「アイドルを推す」というよりは「 可愛い女の子が自分好みのパフォーマンスをしているのを楽しく観る」というスタンスなので、当然新しい推しメンを見つけるなどという気は毛頭無く、タイテで HAMIDASYSTEMの文字を見た時も、一期がハマらなかったため特別な感情が生じるでもなく、ただフロアの後ろの方でステージをぼんやり眺めていました。


彼女のパフォーマンスは、全く予期せず、そんな私にあまりにも鋭く刺さりました。
衝撃的すぎて、どの曲がとか、どのフリでとか、正直憶えていません。
しかし、鬱になりそうな暗い楽曲、鬼が憑依したような見開かれた目、アイドルらしからぬ表情、力が入って震える指先。
焦点が彼女の一点に固定されて雑音や皮膚の感覚が消えたあの瞬間は、今でもありありと思い出せます。


興奮のままチェキを撮りに行くと、あの形相はどこへやら、騒がしい声が大きいよく笑う話しやすい女の子で、まんまとギャップにやられ、私はオタクに戻ってしまったのでした。


HAMIDASYSTEMの解散発表は、そんな出会いの直後でした。初めて推したグループも勇気を出して現場に行った直後にメンバー脱退があったので、正直悲しい悔しいというよりは、「またか…」 という気持ちでした。
当時某流行病の広まりはじめで、肺の悪い家族と実家暮らしをしていた私は足繁く現場には通えなかったこと、メンバー二人を中心とした新グループができると分かっていたことから、その時はあまりマイナスの感情は無かったと思います。


リリスリバースは、初めて最初から見守ったグループになりましたが、オンラインでのそのお披露目ライブの方がむしろ、HAMIDASYSTEM解散よりも虚無感を抱きました。リリスリバースはもちろん素敵なグループだし新メンバーも魅力的だったけれど、歌の被せや激しいダンス、アイドルらしい楽曲に、「HAMIDASYSTEMというグループはもう無いんだ」 という現実を突きつけられました。それでもやっぱり彼女のパフォーマンスは圧倒的で、妹や家族にも「これが私の好きなアイドルなの!凄いでしょ!」 と自慢しまくりました笑笑


彼女は、知れば知るほど、パフォーマンスだけでなくアイドルとしての考え方、人としての生き方が素敵な女の子でした。ライバルの少ない時間だからと本人は夜型なのに毎朝配信をしたり 、尊敬できるアイドル像アーティスト像がはっきりしていたり、個人的にレッスンをしたり、毎ステージ表現を変えたり、演者であり続けたいと語ったり事あるごとに夢を口にしたり、彼女のパフォーマーとしての情熱は人一倍だったと思います。もちろん、どんなに素晴らしい演者でも、一人の若い女の子で人間だから、少し天然だったり、頑張りすぎて視野が狭くなってしまったりして、小さな言葉や行動の選び方を間違えて勘違いされてしまったこともあったと思います。本人の真意はわかりませんが、中には擁護できないような間違いに思えるものもありました。でも彼女のパフォーマンスは唯一無二だったし、彼女の今までの言葉や誠実さに嘘はなかったと、私はずっと思っています。だから、私はそんな瑣末なことで、アイドル界でずば抜けた才能がある彼女のキャリアが傷ついたことの方が悔しかったのを憶えています。


でも、やっぱりそれ以降現場で会えなくなってしまうオタクがいたり、色々な人に馬鹿にされたりネタにされたりすることが増えて、一オタクの分際で馬鹿みたいですが、その一つ一つに傷ついてしまって苦しくて、私のオタクとしての分岐点は、そこだったと思います。
一番は彼女のパフォーマンスだったから、オタクとしてではなく一観客として通うこともできたし、もう十分楽しませてもらったと離れることもできました。
それでも結局彼女が大好きで離れられなくて、これを乗り越えたからもうどんなことがあっても彼女のオタクでいるんだろうなと思っていました。私はDDなので余程ハマらない限りbioにはどのアイドルの名前も書かないと決めていたのですが、一時期彼女の名前だけを載せるぐらいに、本当に特別でした。


でも、それが少しずつ裏目に出てしまっていたのだと思います。
私は、現在進行形で進化するグループに「あの頃の方が良かった」と言うのはナンセンスだと思っていますが、やはり人間なので心の中に好み好みじゃないという感情はあります 。
どんな曲でも彼女のパフォーマンスは圧倒的だったけれど、やっぱり私は明るい曲や今風のピアノロックは好みではなかったし 、理想の押し付けなのは承知の上で一生懸命活動をしていると思っていたメンバーに嘘があったり、ずっと信頼していたメンバーがグループに見切りを付けてしまったり、色々なものが積み重なって、何かがあったということではなく、彼女へのオタクとしての熱量がぷつんと切れてしまったのだと思います。


結局私はその後、一観客として彼女のところに通うという選択をしました。オタクでいることに疲れてしまいました。悲しい気持ちを忘れられないまま、パフォーマンスだけでアイドルを推すことができなくなってしまいました。
bioから彼女の名前を消した時、アイドルとしてタイプで楽しいという感情だけで接することができる新メンバーの名前をbioに入れた時、思い上がりかもしれないけれど、きっと貴女を傷つけてしまったよね。ごめんね。


2023年5月24日、お知らせを見た時、私は私がきっかけでリリスリバースの、彼女のオタクになってくれた妹と一緒にいました。
妹はすぐに涙目になって、「予感はしていたけれど、受け入れられない」と言っていました。私は、全く寝耳に水でした。本気で、彼女は永遠にステージに立ち続けるだろうと思い込んでいました。
泣きもしませんでした。よくあるお知らせの言葉とURLだけのツイートとは異なる、リンクに飛ばなくても解散がわかるツイートやメンバーの気持ちを noteで語らせる選択に、やっぱり私はこの事務所を嫌いになれないなあなどとぼんやりと思いました。きっとこの差が、アイドルオタクか一観客なのかの違いなのだろうと思います。


解散と退所の発表後、私はまだリリスリバースのライブに行っていません。
多分ステージを観て彼女と話したら、もっと感情的になって、盲目なオタクに戻って、今感じている気持ちが消えてしまうと思ったので、支離滅裂に書き散らしました。


いずれにしても、あと少しだけ、私の人生において特別な女の子の一人を追いかけます。
最後の日まで、よろしくね。