備忘録としての生活記録

知識は無いけれど芸術が好きなコミュ障インキャ芋ブスヲタクの戯言

綿引明浩展 ⅡVento ~風の王国~:~2019/02/27

 綿引明浩個展「Ⅱ Vento ~光の王国~」:Box Gallery

に行って参りました。

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 こちらの個展は、本日の夜中に投稿致しました

アリス幻想綺譚2019 アリスとファンタジーの普遍的概念:~2019/02/27 - 備忘録としての生活記録

と同じBunkamuraの、Box Galleryで開催されています。Bunkamura Galleryのすぐ隣です。筆者は、この時まで、綿引明浩さんの存在を寡聞にして存じ上げなかったのですが、鮮やかで絵本のような楽し気な雰囲気に惹かれ、お邪魔しました。

 

 綿引さんの公式ホームページによると、綿引さんは「クリアグラフ」という、透明アクリル板の裏面から絵を描くオリジナル絵画技法を開発され、作品に取り入れているそうです。鮮やかでポップな色遣いに関わらず、激しさが無く目に馴染みやすい作品の雰囲気は、このような技法による作品の透明感に起因しそうです。また、このクリアグラフですが、綿引さんは頻繁にワークショップを開催されているそうで、誰でも気軽に学ぶことができるみたいです。

 本展の展示は、基本的は、クリアグラフによる絵画作品ですが、それを立体化したものや映像作品等、一人の作家様の個展であるにも関わらず、多様な展示でとても充実していました。筆者は、特に映像作品が印象に残りました。綿引さんのクリアグラフによる額の中央に小さな液晶がはめ込まれており、そこに、綿引さんの平面作品が、動きを持った映像として登場します。1分程度の映像が10本程あるのですが、映像にはBGMもついており、すっかり見入ってしまいました。

 

  本展では、展示のキービジュアルにもなっている、気球に乗った登場人物達が様々な世界を旅します。

 綿引さんの描く人物は、基本的に顔は無く、単色で表される人型にすぎません。しかし、どの人物にも動きがあり、楽しい雰囲気や、少しの滑稽さを放っています。時には、その頭部が、本や林檎等にすり替わっていることもあります。描かれる動物も魅力的で、筆者は特に、「豚になった像」(正式なタイトルは忘れてしまいました……)の作品が可愛らしくてお気に入りです。

 また、様々な美術史上の作品をオマージュした作品が多いのも、筆者ら美術好きを刺激します。ブリューゲル、ルソー、マグリット、……。先日ヨーロッパで『バベルの塔』や『光の帝国』を見た筆者は、一段と楽しむことが出来ました。オマージュの再現度も並外れており、確かにクリアグラフで、登場人物も綿引さん独自のデフォルメがされているのですが、細部のタッチが本家そのもの。鑑賞者まで、気球に乗って絵画世界を旅しているような気分に浸ることができます。また、『さまよえる画人』のように、美術史上の絵画作品を持ち歩く人物のデザインも魅力的でした。

 

 こちらの展示にも物販があり、綿引さんの作品を購入することができるので、是非チェックしてみていただければと思います。

 なんと、こちらの展示も本日までです……!

 

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――2019/02/27

 

 

「綿引明浩展 ⅡVento ~風の王国~」
 場所:Bunkamura Gallery 、Box Gallery
 会期:2019/02/15(金)~2019/02/27(水)

 

cast-studio.jp

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